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四半世紀ぶりの母校

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一週間ちょっとの東京出張から戻ってきた。
母校を卒業したのはもう25年も前のこと、その後何度か訪れてはいるものの、こんなにゆっくりキャンパスで過ごしたのは卒業以来。
四半世紀の間に、古い寮はほとんど姿を消し、オンボロ食堂もすっかり格好よく変身し、図書館も新館ができ、大部分の授業がおこなわれていた本館も外壁がきれいになって、まさに浦島太郎。
懐かしいような、懐かしくないような。見慣れたはずの風景が、少しずつ違っていて、まるで夢のよう。

まだ夏休み前で、キャンパスには学生が溢れていたにもかかわらず、心の片隅が疼いた。
なんだろう、この微妙な居心地の悪さは・・・と思ったが、おそらくそれは、もうそこにはいない人たちに対する恋しさ、過去の喪失感。
尊敬していた先生方、大切な友人。記憶の中ではしっかりいる人たちが、いない。
こんなに長い時がたったのだから、いないのは当然なのだが、記憶の中のキャンパスは大好きな人たちで賑やかなまま。現実のキャンパスは、知らない顔で溢れ、私は場違いな一人のおばさん。笑

この世に変わらないものはなく、私も母校を離れてからたくさん冒険をした。キャンパスを後にした22歳の自分と今の自分は、同じ人間とはいえない。
しばらくぶりに母校を訪れてみて、改めて「今日このとき」が二度と戻ってこないことを実感させられた。
どれほどセンチメンタルになったかというと、昨晩指導教授が夢に出てきたくらい。笑   

二度と戻らない時間を思うと切ないが、卒業後に歩いてきた道、出会った人たちを思うと、なんて豊かな人生を送らせてもらってきたのだろうと、今の幸せを噛み締める。
時は刻々とすぎ、人は年をとり、大切な人の中には既に亡くなった人もいるが、それは世の摂理。
このような形で再び母校と関わることになったのも何かのご縁。今の学生さんたちが、かつての自分のように充実した学生生活を過ごし、広い世界へ羽ばたいていく準備を少しでもお手伝いできるなんて、幸せだ。
今の学部生たちは、私の息子とほとんど年齢が変わらない。四半世紀に得た知恵を最大限に生かして、次世代を精一杯応援したいと思う。
by oktak | 2016-06-13 05:10 | 日常
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