先週、実に久しぶりに、学生時代の親友と話した。
彼はもう何年も前からカリフォルニアの大学で教えているが、今年初めにお母様が亡くなって以来、いまだに夢の中をさまよっているようで、大変辛いのだと語った。 彼は私と同い年だが、いまだ独身で、数年前に父上も亡くしており、兄弟とも疎遠なので、その辛さは想像に難くない。友人の数は、私など比べ物にならないくらい多いし、恋人がいない時期もほとんどないと思うのだが、いつも孤独に苛まれているように見える彼。 学生時代、彼とは寮で隣の部屋で、毎晩のように巨大なマグカップの淵までめいっぱい紅茶を入れて、ありとあらゆるテーマについて話し込んだものだ。彼は私を"soul mate"と呼び、二人とも大の猫好きだったので、壁に猫用の出入り口を作って、共同で猫を飼おうと冗談を言ったこともあった。 私が知る誰よりも思慮深く、真の「オープンマインド」を持つ彼は、当時から「子供はいらない」と断言していた。子供が嫌いだからではなく、このような世界に新たな命を生むことが忍びないという理由だった。そして子供を作らないことを前提に、長期的なパートナーシップを築ける女性を見つけるのがいかに難しいかと嘆いていた。(彼が親しくなった女性のほとんどは、最終的に子供を生むことを望んでいたらしい。) 母上を亡くした今、彼があまりに辛そうなので、猫を飼ってみてはどうかと提案したら、「とても他の命の面倒を見ることなどできない」と答えた。 この台詞("I can't take care of another life")、他の友人からも聞いたことがあるが、その度に私の心はざわつく。 その気持ちには深く共感できる一方で、「他の命の面倒を見なくて、生きられるのか?」と思うからだ。 親友ほど、感受性が強く、繊細な人間を他に知らない。 彼は人の痛みに深く共感する能力があり、それゆえに「子供はいらない」とも思うのだろう。 自分が生きるのだってやっとなのに、面倒を見なければならない命があったら、どれほど負担だろうと思う気持ちは、十分理解できる。喜びも大きいかもしれないが、苦しみも倍増するし(愛する存在が苦しめば、自分はもっと苦しむ)、責任の重さに圧倒されるのは分かる。 彼ほど優しい人を、どこか近寄りがたく感じるのは、猫や子供だけでなく、誰のことも、「面倒を見られない」と、しんどいことも、汚いこともひっくるめて愛することを避けているからではないかと思う。 でも人は、他者との関係によってしか生きることができない。 愛することによってしか、孤独を脱することはできない。 愛には当然苦しみも付随するが、それはどうしても切り離せないものなので、セットで抱え込むしかない。 「他の命の面倒を見ること」は、「自分の面倒を見ること」に他ならない。 面倒を見る相手がいない人生は、どれほど崇高な目標に向かって努力をしても、最終的には満たされることがないように思う。 前にも書いたと思うが、「孤独でない」ということは、大層面倒で、苦しいことなのだ。 でも、誰の面倒も見ないことより、苦しいことはない。 誰かの苦しみも引き受けることによってしか、人は生きられないのだと思う。 「今、あの頃のような友達は周りにいるか?」と尋ねられ、「いない」と答えた。 学生時代は、人種・国籍・性別・年齢など一切関係なく、何についてでも語り合える友がいた。 彼は今でも学者や若い学生たちに囲まれているのに、やはり昔のような友はいないと言った。 「あの頃は、'ideas'について話し合えたね」と懐かしむ彼と、またマグカップになみなみと紅茶を入れて、語り合える晩がきたら、私は上に書いたようなことを話してみたいのだ。 彼が心から幸せになれることを、いつも願っている。 People, People who need people Are the luckiest people in the world We're children needing other children And yet letting our grown-up pride Hide all the need inside Acting more like children than children Lovers Are very special people They're the luckiest people in the world With one person, One very special person A feeling deep in your soul Says you are half now you're whole No more hunger and thirst But first be a person who needs people People, people who need people Are the luckiest people in the world.
by oktak
| 2012-11-28 02:17
| 日常
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