一昨日、NYに戻ってきた。東京にいる母が急病で倒れ、子供たちを連れて、2週間帰国していたのだ。
JFK空港は数日前の大雪のため大混乱で、着陸後3時間も機内に閉じ込められ、その後の入国審査もバゲッジクレームも、右往左往する人の波で酔いそうなほどだった。なにはともあれ、無事帰宅してほっとしている。 幸いにも母は一命をとりとめ、順調に回復して、私たちの帰米前に退院することができた。今後はかなり気をつけなければならないだろうが、なんとか普通の生活が送れそうで、心から安堵した。 今年は祖母を失い、母を失いかけた。これほど死を身近に感じたことはなく、私の人生観は大きく揺さぶられた。 頭では分かっていたが、今自分の周りにあるものすべて- 愛する人たちさえも - は、いつか確実に失われるという、厳然たる事実を突きつけられ、これまで漫然と日々過ごしていた自分が、まるで子供のように無邪気に思われる。 年齢的には、人生の折り返し点にある。人生後半は、数多くの喪失を経験することになると思うと、やりきれない気持ちにもなる。祖母が晩年、同世代の方が次々と亡くなっていく寂しさをよく口にしていたが、その痛みの片鱗を知った気がする。 喪失を通して知るのは、当たり前の生活こそが、まさに「ありがたき幸せ」であるということ。 愛する家族がいること。大切な友がいること。やりたい仕事があること。おいしい食事に舌鼓を打ち、燃えるような夕焼けに息を呑み、子供らの仕草に笑い転げ、バスルームを磨き上げて自己満足し、こうして思ったことを書き綴る・・・ 同じ瞬間は二度と繰り返されることなく、すべての体験は一瞬にして過去の記憶へと変わる。 一日一生、一期一会。 今日という日が、人生最後の日であるかのように、毎日生きることができたら。 日々感謝の念を持ち、精一杯生きたいと、切に願うこの年の瀬である。 拙ブログを読んでくださっている皆様が、良い年を迎えられますよう。
by oktak
| 2010-12-31 07:36
| 日常
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