"Joan Rivers - A Piece of Work"というドキュメンタリーを見た。
日本でどれだけ知名度があるのか知らないが、Joan Riversは強烈な毒舌が売りのコメディエンヌだ。 私もスタンドアップコメディの世界はまったく分からないが、彼女は毎年アカデミー賞授賞式の日に、出席者のファッションを批評する"Fashion Police"なる番組のキーパーソンとして出演しているので知っている。(彼女はだいたい私の思っていることをそのままズバズバ言ってくれるので痛快だ。) なんと彼女、75才だそうだ。 1960年代からコメディエンヌとして活躍し始め、90年代にいったん落ち目になったものの、昨年はDonald Trumpの人気(?)番組"Celebrity Apprentice" に出演・優勝してまた売れっ子になったらしい。 近年は、その辛辣なユーモアと同じくらい、痛々しいほどの整形手術で有名だ。 このドキュメンタリーを見て、彼女のプロ根性と、ありのままの姿をさらけ出す勇気に心動かされない人はいないのではないか?彼女のパフォーマンスのスタイルは、あまりに毒が強く、下品で、好きでない人も多いと思われるが、仕事を選ばず、どんな僻地にも出かけ、どんな観客の前でも自分のスタイルを貫き、作品を酷評されて深く傷つきながらも邁進し続けるプロフェッショナリズムには、素直に感動した。そして、仕事がほとんど入らなかったときの焦燥も、長年のエージェントを失った寂しさも、新聞の批評に傷つく弱さも、包み隠さずカメラに見せる彼女のcandor(どうしてもこれにぴったりくる日本語が思い浮かばない)は、ほとんどの人が格好悪い姿を見せたがらないこの世にあって新鮮で(やはり年の功なのか?)、心を打たれた。 特に印象に残った言葉がいくつかある。 彼女のエージェントの一人が、"In order to be struck by lightning, you have to stand in the rain"(雷に打たれるためには、雨の中に立たなければならない)と言い、Riversは、どんなに雨が降っても立ち続けてきたのだと語った。 Riversの後輩で、今売れているKathy Griffinというコメディエンヌも、「コメディアンにとっての成功は、アカデミー賞でもエミー賞でもなく、『今も続けている』ということ。そしてジョーンは本当の成功を知っている」と言っていた。 そして昨年、人気が回復して、仕事が雪崩れ込んできたとき、Riversは"Nothing is yours permanently. You'd better enjoy it while you can." (今あるものはいつまでもあるわけじゃない。あるうちに楽しまなくちゃ)と。 ちょっとの失敗や挫折で負けない粘り強さと、継続することの意義、成功や幸せの儚さと、人生の浮き沈み全部を受け入れて愛することなどについて、考えさせられた。おすすめ。
by oktak
| 2010-07-10 06:15
| 映画
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