人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 今年もよろしくお願い申し上げます 我が家のクリスマス >>

2009年ビジネス総括

 今年もやたらに忙しかったような気がするし、ひょっとして昨年よりもかすかに売り上げが伸びたのではないかとすら思ったが、今日、たまりにたまった会計処理をしたところ、売り上げは昨年比マイナス約5%。

 こういう話をブログに書くのはビジネス上どうかと思われるだろうが、私は仕事の話をオープンにすることに抵抗がない。自分の経験をシェアすることで、これからビジネスを始めようと考えている方や、立ち上げたばかりの方のお役に立つ可能性もあると思うし、商売の話は面白いではないか?

 昨年は劇的に売り上げが伸びた年で、今年それを上回るのはそもそも難しかったのだろう。いたるところで不景気を実感した今年、売り上げが-5%にとどまったのは、むしろ成功とさえ言えるのかもしれない。ただし、今年は昨年よりも多くの商品を作ったと思うので、コストは昨年より多く、売り上げはほぼ横這いでも、利益はだいぶ減ったのではないだろうか。(こちらはまだきちんと計算していない)

 興味深いのは、昨年も今年も、メジャーな雑誌に取り上げられた月は売り上げが大幅に伸びたことである。昨年はHallmark Magazineにフィーチャーされた6月。今年はBrides Magazineに取り上げられた4月と、EtsyのFeatured Sellerに選ばれた9月。両年とも、12月の売り上げは、他の月のほぼ倍だったが、雑誌に取り上げられた月は、12月の収入とほぼ同じだった。

 逆に売り上げがもっとも少なかったのは、両年とも、7月と8月。8月は毎年日本に帰国し、ショップが開店休業状態になるため、売り上げが少ないのは仕方ないが、7月はいつもニューヨークにいるのに、あまり売れない。これは、アメリカの夏休みが6月中に始まり、多くの家族が7月中に休暇を取るためだと思われる。

 ショックだったのは、10月・11月の売り上げ。バンバン新作を追加していたにもかかわらず、それぞれ昨年同月比-30%及び-40%だったのだ。原因はよく分からないが、景気の低迷が影響したことは間違いない。特に11月は、大手小売業が早めにホリデー商戦を開始し、大幅な値下げ合戦を繰り広げたことの影響もあったと思う。

 12月は盛り返し、売り上げは昨年とほぼ同じ。

 今年が去年と違ったのは、景気以外に、Etsyでの競争が激化したこと。
 Etsyでの売り上げが伸び始めた2007年は、がま口を作っているセラーは数えるほどしかいなかった。2008年に急激に増え始めたが、今年はまさに雨後のたけのこ状態。しかも、途上国を拠点にしたショップで、$7や$8のがま口を売るところも現れた。価格では、もはや太刀打ち不可能。

 この傾向は間違いなく来年も続くわけで、主にアジア発の安価な類似品がさらに増加する能性大。

 このような状況の中で、今後どうするべきか、非常に悩むところ。
 来年はさらに売り上げが減少するのか、それとも新商品を開発し、市場の隙間を突くことで生き延びるのか?それとも、生産量を減らす代わりに、凝った一点もののみを作り、安いが没個性の競争相手に対抗するのか?

 何をしても、結局はイタチごっこのような気がしないでもない。
 レースやフリルを縫いつけたがま口を最初に出したとき、他に同じようなものを売っている人はいなかったが、今ではそっくりなものがたくさん売られている。花のコサージュをつけたがま口も、刺繍がま口も然り。どんなデザインを生み出しても、類似品が大量に出回っては、商売上がったりである。

 ビジネスはなんとなく振り出しに戻った感がある。
 私の持ち味は何か?他の人に真似できないものは何か?
 私の何に魅力を感じて、お客様は作品を買ってくださるのか?等、自問する日々。

 しかしそれ以前に、この仕事の意義と目標自体を問うている。
 私はこの仕事に何を求めているのか?最終的に何を成し遂げたいのか?
 正直、一生この仕事を続けるとは思えない。他にまだやりたいことがあるからだ。
 かといって、決して遊びとも思っていないし、過去何年間かは必死にやってきた。
 もしかすると、この仕事の形態では、できるところまでやったのではないか?
 生産方法を根本的に変えない限り(変えたら変えたで、もはや「ハンドメイド」の定義に当てはまらなくなるのかもしれないが)、これ以上の売り上げは望めないのではないか?そこまでして売り上げを伸ばしたいのか?収入は、どこまで重要なのか?(夫は、今の私の収入の低さは、「やりたくないことをやらない賃」を払っているからだと言う。笑)
 
 立ち止まって考えるべきときが来たようだ。
 
 
by oktak | 2009-12-29 13:30 | ビジネス
<< 今年もよろしくお願い申し上げます 我が家のクリスマス >>