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春爛漫

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長くて厳しい冬がようやく終わり、マンハッタンの路上にも、チューリップ、ヒヤシンス、パンジーに水仙と、色とりどりの花が咲き乱れている。

我が家でも、最近嬉しいことが二つあり、一挙に春が来た感じ。
一つは、これまでの人生のほとんどをNYで過ごしてきた15歳の息子が、米国の永住権を取得したこと。国籍は日本のままだが、おそらくこのままアメリカで教育を受け続けるであろう息子が、グリーンカードを取得することは重要なことだった。

もう一つは、娘が第一希望の中学に合格したこと。(昨日発表だった。)家から遠いのがやや心配だが、本人が是非行きたいと思った学校に入れたのは、やはり嬉しい。
6月には小学校卒業。まだ10歳、純真で、今でも空想の世界に住んでいるようなところがある娘だが、確実に成長しているのだな。小学校卒業の節目は、喜びと、誇らしさと、少しばかりの寂しさが入り混じった複雑な心境で迎えそうだ。
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by oktak | 2015-04-29 23:44 | 日常

"Pioneer Day"

Facebookで、イリノイ州に住むアメリカ人の知人が、こんなことを問いかけていた。
「多くの小学校が、Pioneer Day(開拓者の日)やColonial Day(植民地時代の日)という日を設け、子供達に開拓者時代の服装をさせて、当時の食べ物を食べるなど、その時代の暮らしについて学ぶ機会を与えていると思います。娘の学校では、この日に、女子は『開拓者の少女の服装』を、男子は『開拓者の少年の服装』をするよう、指示がありましたが、どう思いますか?」

「性別に応じて、特定の服装をしなければならない」と学校側が指示したことに対し、ジェンダーの観点から問題意識を持ったわけである。これに対して多数の意見が寄せられていたが、「歴史の授業である限り、時代を正確に再現することに意味があるので、問題ない」という人もいれば、「ジェンダーを基準に、決まった服装を強要するのは問題」という人もいた。

投稿した知人の娘さんは、普段からスカートを履くのが嫌いで、ドレスにボンネットという服装を強要されることを、涙を流して嫌がっているのだとか。

私が驚いたのは、「開拓者の日」について、知人がもっとも問題だと思ったのが、ジェンダーによる特定の服装の強要であったこと。
「開拓者の日」を設け、その時代の生活を再現し、記念すること自体に違和感はないのだろうか?
開拓者が先住民の土地を侵略し、彼らを不毛の地に追いやった歴史は都合よく軽視し、この時代へのロマンチシズムに浸る傾向の方が、私ははるかに気になる。
知人が住んでいる地域の人口構成は知らないが、マイノリティが皆無だとは想像できない。スカートを履くのを嫌がる少女の気持ちを汲むことも大切だが、先住民の血を引く子に開拓者の格好をさせることには問題はないのか。また、子供の人種や国籍に関係なく、開拓者時代の服装を再現することの意味は?この時代を肯定的に捉えていなければ(ノスタルジアさえあるかもしれない)、衣装を着てこさせるようなことはないのでは?

そんなことを思っていたら、コメント欄に、自分と同じような考えを持っている人を発見。
「開拓者がこの国でどんなことをしたか、覚えている人はいないのか?先住民を虐殺した開拓者の服装を、学校が子供に強要すること自体に困惑する。学区内に非白人の子供達がいるとしたら、ジェンダー以外の観点からもこの問題を議論せざるを得ないはずだが、実際にそのような議論が起こることはないだろう。こうしたイベントを無害で取るに足らないものだと思えるのは、特権階級から見た場合のみなのだ。」

そう。歴史の一幕の再現を無害と思えるとしたら、それはその一幕で傷つかなかった立場にあるから。
綿花プランテーションの様子を再現しようとする学校がないのは、人を虐待・搾取・虐殺した側に、激しい罪悪感と羞恥心があるから。コロンブス・デーが祝われ、学校で「開拓者の日」があるのは、先住民を抹殺したことに対する、歴史的認識が甘いから。

ちなみに、ありとあらゆる人間が住んでいるここニューヨーク市の公立校では、「開拓者の日」のようなイベントはない。
それどころか、子供達は一度も学校で国家斉唱、(国旗に対する)忠誠の誓いをしたことがない。
もし娘が小学校で、「パイオニア・ガール」の格好をしてこいと言われたら、私はやっぱり違和感を覚える。娘が着たいと言えば阻止はしないが、学校で教える歴史が、白人開拓者の視点から見た"his story"であることは、指摘せざるをえない。
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by oktak | 2015-04-28 23:16 | 日常

サボテンの壁飾り

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4インチ(10cm)の枠。
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by oktak | 2015-04-26 22:56 | 作品

両親の訪問と、新しい仕事

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↑Lincoln Center 4/14

4月2日から昨日(22日)まで、両親が日本から来ていた。
私たち夫婦がNYに引っ越してから16年、この間、両親は10回以上訪問しているが、絵と音楽と食べることが大好きな彼らは、幸いNYに飽きることはないようだ。
とはいえ、行きは12時間、帰りは14時間のフライトである。父はもう70代後半、よく来てくれたものだ。

いつもは父が体調を崩すのに、今回は珍しく母が風邪をひき、一週間狭いアパートにこもりきりだった。通常、メトロカードを渡しておけば、毎日のように二人で出かけて勝手に遊んでくれる、誠に手のかからない両親だが、今回は思うように出歩くことができず、気の毒だった。

それでも、彼らの結婚50周年のささやかなお祝いもできたし、父は大好きなオペラに二度行けたし(一度は具合の悪い母に代わり、私が棚ボタでお供)、寒い中ボストン旅行もできたし、そして何よりも、こんなにゆっくり二人と一緒に過ごせたことに感謝。

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↑春の花が植えられたRockefeller Center

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両親が帰国して、寂しがっている間もなく、新しい仕事が始まる。
以前からこんなことを思っていたが、今年こそは動き出そうと決めていた。

とりあえず情報収集したいと思い、長年ニューヨークのカトリック系非営利組織で弁護士を務めている学生時代の先輩に連絡をとったところ、早速勉強会に招待してもらい、そこでNY Asian Women's Center (NYAWC)のカウンセラーの方と出会った。NYAWCは、主にDVその他の虐待や人身売買の被害者救済を目指す機関で、法的サービスの提供、シェルターの運営、虐待の影響を受けた子供達のセラピーやカウンセリング、職業訓練などを実施している。聞けば、NY近郊に住む日本人女性からの相談が、昨年だけで100件以上あり、その多くが弁護士との面談や法廷で思うように英語でコミュニケーションが取れず、困っておられるとのこと。通訳ならば、経験が数十年ある(自分の年にびっくり・笑)。すぐにボランティア登録することにし、先週はオリエンテーションも受けた。

不定期に弁護士との面談の通訳をおこなう他、定期的に、ホットラインのボランティアもすることにした。ホットラインは、DVその他の虐待について相談できる24時間サービスで、時間帯にもよるが、北京語、広東語、韓国語、日本語、ヒンディー語、ウルドゥー語、ベンガル語など、多数の言語で対応できるスタッフがいる。実際にホットラインで電話を受ける前に、何日も研修を受けなければならないらしい。

明日は、弁護士とのミーティングで初めて通訳を務める。
どれだけお役に立てるか分からないが、少しでも困っている方の力になれたら嬉しい。
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by oktak | 2015-04-24 01:46 | 日常