カテゴリ:映画( 20 )

Joan Rivers - A Piece of Work

"Joan Rivers - A Piece of Work"というドキュメンタリーを見た。
日本でどれだけ知名度があるのか知らないが、Joan Riversは強烈な毒舌が売りのコメディエンヌだ。
私もスタンドアップコメディの世界はまったく分からないが、彼女は毎年アカデミー賞授賞式の日に、出席者のファッションを批評する"Fashion Police"なる番組のキーパーソンとして出演しているので知っている。(彼女はだいたい私の思っていることをそのままズバズバ言ってくれるので痛快だ。)

なんと彼女、75才だそうだ。
1960年代からコメディエンヌとして活躍し始め、90年代にいったん落ち目になったものの、昨年はDonald Trumpの人気(?)番組"Celebrity Apprentice" に出演・優勝してまた売れっ子になったらしい。
近年は、その辛辣なユーモアと同じくらい、痛々しいほどの整形手術で有名だ。

このドキュメンタリーを見て、彼女のプロ根性と、ありのままの姿をさらけ出す勇気に心動かされない人はいないのではないか?彼女のパフォーマンスのスタイルは、あまりに毒が強く、下品で、好きでない人も多いと思われるが、仕事を選ばず、どんな僻地にも出かけ、どんな観客の前でも自分のスタイルを貫き、作品を酷評されて深く傷つきながらも邁進し続けるプロフェッショナリズムには、素直に感動した。そして、仕事がほとんど入らなかったときの焦燥も、長年のエージェントを失った寂しさも、新聞の批評に傷つく弱さも、包み隠さずカメラに見せる彼女のcandor(どうしてもこれにぴったりくる日本語が思い浮かばない)は、ほとんどの人が格好悪い姿を見せたがらないこの世にあって新鮮で(やはり年の功なのか?)、心を打たれた。

特に印象に残った言葉がいくつかある。

彼女のエージェントの一人が、"In order to be struck by lightning, you have to stand in the rain"(雷に打たれるためには、雨の中に立たなければならない)と言い、Riversは、どんなに雨が降っても立ち続けてきたのだと語った。

Riversの後輩で、今売れているKathy Griffinというコメディエンヌも、「コメディアンにとっての成功は、アカデミー賞でもエミー賞でもなく、『今も続けている』ということ。そしてジョーンは本当の成功を知っている」と言っていた。

そして昨年、人気が回復して、仕事が雪崩れ込んできたとき、Riversは"Nothing is yours permanently. You'd better enjoy it while you can." (今あるものはいつまでもあるわけじゃない。あるうちに楽しまなくちゃ)と。

ちょっとの失敗や挫折で負けない粘り強さと、継続することの意義、成功や幸せの儚さと、人生の浮き沈み全部を受け入れて愛することなどについて、考えさせられた。おすすめ。
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by oktak | 2010-07-10 06:15 | 映画 | Comments(4)

Away From Her

昨日、DVDで"Away From Her"を観た。
主演のJulie Christieはこの映画で、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたが、納得の演技。(それに、65歳とは思えぬ美貌)
夫役のGordon Pinsentも素晴らしかったし、助演のOlympia Dukakisもさすがの貫禄。
久々にいい映画に出会った。少し泣いた。

アルツハイマーにかかった女性Fionaが、44年連れ添った夫Grantを置いて、施設に入る決断をする。Grantは葛藤に苛まれるが、Fionaの決意は揺らがず、44年間で初めて、二人は離れることになる。施設の規則で、二人は入居後1ヶ月間面会を許されず、その間に彼女はさらに「遠く」に行ってしまっていた。

Shel Silverstineの絵本、"Giving Tree"を思い出した。
4年生のときの担任の先生が、「この本を読んだ人は皆違う感想を持つ。悲しい話だと思う人もいれば、ハッピーな話だと思う人もいる」というようなことを言っていたことも思い出す。
この映画も、まさに"bitter-sweet"-ほろ苦いのにかすかに甘く、深い悲しみの中に喜びもあり、絶望の中に希望がある。

Fionaを施設に送り届ける日の朝、Grantは彼女を"Direct and vague, sweet and ironic"と評するが、それはこの映画のことでもあるようだ。


*****

今上映中の映画で、観たいものはほとんどないのだが、今週中に息子を連れて"Food Inc."を観にいこうと思う。
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by oktak | 2009-06-23 00:40 | 映画 | Comments(2)

"Michael Clayton"

 昨日、夫と封切られたばかりの"Michael Clayton"を観にいった。監督はBourneシリーズで有名なTony Gilroy、主演はGeorge Clooney。夫と観にいくのは、いわゆる「ドラマ系」はダメなので(笑)、"Corporate Thriller"だというこの映画を選んだ。

 NY屈指の法律事務所に勤める弁護士、Michael Claytonは、事務所内の面倒な問題をもみ消すことが仕事の、"fixer"である。仕事に不満はあるものの、ギャンブルとベンチャービジネスで借金を抱え、辞めるに辞められない。

 そんなとき、同僚の弁護士が、担当事件の驚くべき真相を知り、顧客である大企業を、逆に起訴しようと準備を始める。やがてこの同僚は殺害されるのだが、同じ秘密を知ったClaytonは、上司に事の真相を伝える。が、既に顧客が有罪であることを知りつつ、こともなげに金儲けを最優先する事務所。そしてClaytonも、一度は良心を捨てる・・・ (以下スポイラーになるので省略)

 まあ、predictableなプロットではあったが、ダークでシャープな映像、スピード感のある展開、そしてClooneyをはじめとする豪華キャストの演技、十分楽しめた。Sydney Pollack、Tilda Swintonは、はまり役だった。

 
 
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by oktak | 2007-10-14 11:03 | 映画 | Comments(0)

Hairspray

 先週でサマースクールが終了してしまった息子が、毎日家でゴロゴロ。
 昨日は、先週封切られたばかりの映画"Hairspray"を一緒に観にいった。
 楽しかった~。歌と踊りが最高。

 主役のTracy Trunbladを演じるのは、Nikki Blonsky。確か、まったくの新人。歌がとてもうまかった。その母、Ednaを演じるのは、John Travolta。彼が一番話題になっていたのだが、歌はヘンだし(笑)、別にどうということもなかった。

 他にも、Michelle Pfeiffer、Christopher Walken、Queen Latifahなどが出演。Michelle Pfeifferは、(実は苦手なのだが)50歳とは思えぬ美貌。その迫力には脱帽。Christopher Walkenは歌は下手だけど、チャーミングだったな。

 数年前にブロードウェイで舞台を観たときにも思ったが、ストーリーはあまりにも安易。1962年のBaltimoreで、高校生たちが歌とダンスを通して、人種差別と闘うという筋なのだが、最後は黒人の女の子がテレビで「ミス・ヘアスプレー」に選ばれちゃったり、黒人と白人の高校生たちが入り乱れてダンスしたり、お祭り騒ぎ。街中の人も拍手喝采・・・。 Yeah, we WISH it was like that ...って思いっきりひねくれたくなる(笑)。

 ま、この作品、ストーリーはどうでもいいわけで。
 ダンス好きの息子も、おおいに楽しんだ。

2時間何も考えずに現実逃避したい方、是非おすすめ♪
 
 
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by oktak | 2007-08-01 23:31 | 映画 | Comments(7)

"Arctic Tale"

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Mercer St. from Angelika Film Center


 「大人の入場券を1枚買うと、子ども1人入場無料!」という広告に釣られて、National Geographic Films製作の"Arctic Tale"を家族で観にいった。娘にとっては、これが映画デビュー。

 北極圏の生物の生き様を追った「半」ドキュメンタリー。ホッキョクグマとセイウチの親子に焦点を当て、子どもの誕生、子育て、さまざまな試練、死、そして新たな命の誕生を描く。「半」と書いたのは、実は同じ個体をずっと追って製作された映画ではなく、異なる個体の映像をつなげて、ストーリーをつくったものだからである。(子どもでも理解し、楽しめるようにするための工夫だと思う。)

 同じくNational Geographic Filmsが製作した"March of the Penguins"に比べると、環境破壊がいかに生物に深刻な影響を与えているかが強調されていた。人間が引き起こした温暖化により、過去20年ほどの間に、北極圏の氷は20%も減少し、2040年には、夏の間、北極圏にはまったく氷がなくなると予想されている。氷が減少したため、夏の間、生物たちはより遠くの島まで移動したり、危険な環境での出産・子育てを余儀なくされたり、子どもの一人立ちの準備が整う前に子離れせざるをえなくなるなど、あらゆる変化を強いられている。

 子を亡くした母クマの表情が、あまりにも悲しみに満ちていて、心から同情。どんな生物でも、子を思う母の気持ちは同じだと、しみじみ。

 "March of the Penguins"同様、どうやって撮影したのか不思議に思うような、見事な映像がたくさん。幼稚園児以上にはおすすめ。(まだ2歳の娘には、ストーリーは分からなかった模様・・・)

 映画館を出たら、土砂降り。

*****

HPの商品をすべて値下げしました!
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by oktak | 2007-07-30 11:04 | 映画 | Comments(2)

"Ratatouille"

 2週間ほど前、息子とPixarの最新アニメーション、"Ratatouille"を観た。
 主人公は、料理が大好きなネズミのRemyで、舞台はパリのレストラン。
 レストランの「ゴミ出し係」として採用された若い男に指示を出して料理させ、落ち目だったレストランを再起させてしまう。

 息子と観る映画-特にアニメーション-は、ほとんどがあまりにもくだらなくて記憶に残らないのだが(苦笑)、この映画は楽しかった。厨房のシーンが見事だったし、絵が全体的にきれい。"Beauty and the Beast"あたりからのディズニー映画(Pixarとのコラボ作品を除く)の画像が雑で観るに耐えないのに対し、これは画面の隅々まで気が配られていて、観ていて飽きなかった。

 さらに。Peter O'Tooleが声を担当した、Anton Egoという著名な料理批評家の台詞がよかった。この批評家、とにかく気難しく、威厳があり、彼の一言で店の運命が左右されることから、レストラン業界では恐れられているのだが・・

"In many ways, the work of a critic is easy. We risk very little yet enjoy a position over those who offer up their work and themselves to our judgment. We thrive on negative criticism, which is fun to write and to read.
But the bitter truth we critics must face is that, in the grand scheme of things, the average piece of junk is more meaningful than our criticism designating it so."

 「いろんな意味で、人を批評することは易しい。我々批評家は、己は何も失うことなく、偉そうに他人の創ったものについてあれこれ意見を述べることができる。特に、否定的な意見は書く方も読む方もおもしろいので、我々の仕事は批判で成り立っているようなものだ。

 ところが、本当のところ、どんなにつまらない作品でも、それを『駄作』と定義する批評よりも、はるかに意味のあるものなのだ。我々はこの厳然たる事実を認めなければならない。」(インチキ訳)

この台詞が出てきたとき、私は思わず心の中で拍手した(笑)。
 そうだ、そうだ、その通り!
 (いや、別に誰かに作品をこきおろされたわけではないのだが・・・まだ。笑)

 子どもと観にいくにはお勧めの映画。
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by oktak | 2007-07-16 23:39 | 映画 | Comments(4)

"A Mighty Heart"

 2002年に、ウォールストリート・ジャーナルの記者、ダニエル・パールがパキスタンでイスラム過激派に拉致・殺害されるという事件が起きた。この事件の発生から悲劇的な終末までを、妻マリアンヌを中心として描いたドキュメンタリー的映画、"A Mighty Heart"が今日封切られたので、見てきた。主役マリアンヌを演じるのは、アンジェリーナ・ジョリー。

 マリアンヌが書いた同名の本は読んでいないが、彼女、相当な人物である。
 夫が殺害された直後のインタビューで、「パキスタンについてどう思うか?」と聞かれて、「今月、夫を含めて10人の人が(イスラム過激派によって)殺害されている。残り9人はパキスタン人だった。パキスタンの人々も、私と同じように苦しんでいる」と答えた。

 そしてさらに、「テロリストの狙いは、私たちを恐怖に陥れること。だけど私は恐怖に屈しない」とも言っている。

 気が狂いそうな状況の中で、嫌悪と恐怖に支配されることなく、冷静さを失わず、真理を正視する。常人には考えられない強靭な魂。まさに、"mighty heart"なのだ。(マリアンヌは、ダニエルの精神を"mighty heart"と称えているのだが。)

 映画は、淡々と事件の展開を描いていく。カラチの街中の映像からは、暑苦しさ、音、臭いが生々しく伝わってくる。街の圧迫感が、登場人物の焦燥感や、わらにもすがる思いで進行していく捜査と時間との戦いと重なって、全体を通して、胸の上に重石を載せられたような重圧を感じる。

 事実のみを再現しているから、拉致された後のダニエル・パールの映像はない。あるのは、彼を救うために必死に努力する側の、息詰まるような日々の記録。

 新聞記事やテレビニュースを追っているだけでは、見えてこないディテールたち。実はこうしたディテールこそが、重要だったりする。

***


 高校生の頃、著名なコラムニスト、Bob Greeneのエッセイ集"Cheeseburgers"を読んで、ひどく感銘を受けた。この映画を見て、彼の視点を思い出した。

 悲惨な事件が起きると、大々的に報道され、世間は驚愕したり、嘆いたり、呆れたりするが、そうした事件が起きた後の当事者らの生活 - 1年後、5年後、10年後 -が報道されることはほとんどない。悲惨であればあるほど、世間も記憶から抹殺したいという無意識の思いがあるのかもしれない。でも、本当の戦いは、「その後」も無慈悲に続く日常ではないか?愛する者を理不尽な暴力によって奪われた後の、生の継続ではないか?

 その真の戦いの中に、人間の最強かつ最善の部分が現れるのだと思った。
 マリアンヌは、事件当時妊娠していた男の子をその後無事出産し、今もジャーナリストとして活躍している。ダニエルの両親は、ジャーナリズムや音楽を通して、異文化間のコミュニケーションを推進するために、ダニエル・パール基金を設立した。
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by oktak | 2007-06-23 06:35 | 映画 | Comments(6)

"Georgia Rule"

 今日は、しばらく気になっていた大きいオーダーを2つ発送したので、大休止することにした。ここ3週間、夫は超多忙で、出張しているのと実質的に同じだったため、仕事&育児&家事でヘトヘト。疲れて体調が今いちになってきたので、映画をぼーっと見ることにした。

 本日公開の"Georgia Rule"。Jane Fonda, Lindsay Lohan, Felicity Huffmanという大物女優が共演している。カリフォルニア育ちのわがまま娘をLohan、彼女に手を焼き、夏休みの間、アイダホにいる自分の母に預けようとする母をHuffman、そして厳格だが愛すべき祖母をFondaが演じている。

 お気楽なファミリードラマかと思ったけれど、「子供の性的虐待」という重いテーマが絡む。(それでも真っ暗にならないところが、"Volver"と共通。)FondaとHuffmanに囲まれつつも、Lohanの演技が光っていた。彼女の役の、混乱と孤独と弱さを、説得力のある演技で現していた。

 Felicity Huffmanは、"Transamerica"での演技は見事だったけれど、この映画の役はちょっと薄っぺらだったかも。彼女でなくても演じられたのではと思った。

 全体としてはよかったけれど、もうちょっとFondaの役を肉付けしてもよかったのではと思う。少し脚本のフォーカスが曖昧だった感が否めず、彼女の役をしっかり中心に据えて、ストーリーを締められたら、作品のグレードは上がっただろう。

 見に行っても損はしない映画だと思う。
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by oktak | 2007-05-12 05:06 | 映画 | Comments(0)

"The Hoax"

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 今日は夫の仕事が休みで、子供たち不在という、年に数日しかない組み合わせの日。
 だいたいこういう日には、夫婦で映画を観にいくことになっている。

 最近ろくに新聞も読んでいないので、どんな映画をやっているかも分からなかったのだが、近くの映画館で、今日始まった映画があるらしいので、観にいった。

 Lasse Hallstrom監督、Richard Gere主演の"The Hoax"。エキセントリックな大富豪、Howard Hughesに自伝の執筆を依頼されたと大嘘をつき、大手出版社から莫大な前金を騙し取ったClifford Irvingの話。1970年頃の実話らしいが、まったく知らなかった。この事件が、ウォーターゲートの遠因であったように描かれているが、そこまで本当かどうかは謎。

 Richard Gereにはまったく興味がないのだが、この映画ではなかなかの熱演。嘘を重ねていくうちに、次第に嘘が現実と重複し、しまいには虚構の世界が現実に取って代わる様、その中での主人公の焦りや迷いをうまく表現していたと思う。

 1960年代に実在した詐欺師、Frank Abagnaleを描いた"Catch Me If You Can"を観ても思ったが、本当に事実は小説よりも奇なり。

 1970年代のファッションに注目。5点満点だとすると、3.5点くらいかな。必見というほどではないが、良質の娯楽。
(上の写真は映画とはまったく無関係。Union Squareで買ってきた桜の枝、ようやく花が咲いた)
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by oktak | 2007-04-07 05:42 | 映画 | Comments(0)

Little Miss Sunshine / Little Children

 まだ映画館でも上映中だが、テレビのMovie-on-demandで、"Little Miss Sunshine"を観た。よかった!!最近観た中では、鑑賞後、一番ほんわかした気持ちになれた。派手なアクションも、豪華なロケもなく、かなりローバジェットの映画と思われるが、この作品は、映画の楽しさと予算はちっとも比例しないことを証明している。

 主人公は、ニューメキシコ州アルバカーキーに住む、平凡な一家の6人の面々。仲が悪いわけではないものの、それぞれがちょっとずれた夢を追い求め、顔を合わせれば金物がぶつかりあうような、派手な不協和音を奏でている。この6人が、おんぼろのミニバンに乗って、カリフォルニアに旅することになる。その途中、それぞれの夢が無残にも破れ、人生の挫折を経験するのだが・・・家族の一番小さなメンバーである、10歳の少女(=Little Miss Sunshine)のお陰で、本当の幸せを思い出す。

 最後のシーンには、爆笑。これ、映画館で観ればよかったと、激しく後悔。
 不良じいさん役のAlan Arkinは、少女役のAbigail Breslinと共にアカデミー賞にノミネートされているが、いい味を出していて、どことなく私の祖父を思い起こさせる(髪型か?笑)。

***


 そして映画館で、Kate Winslet主演、"Little Children"を観た。
 郊外の裕福な住宅街に住む、専業主婦のSarahは、公園で出会う「ママ友」の世界に溶け込めず、かといって一人娘と過ごす時間にも充足感を得られず、孤独と虚しさに苛まれている。そこにハンサムな「専業主夫」のBradが登場し、やがて二人は恋をする。サブプロットとして、その住宅街に住み、日々住民から嫌がらせを受ける元性犯罪者と、彼を執拗に追い詰める元州兵のストーリーもからむ。

 この映画の登場人物は、皆満たされない心を抱え、それを満たすための「何か」を必死に求めている。でも、見つかったと思った「何か」は、一時的な高揚感をもたらしてくれるものの、本当に心を満たしてくれるものではない。それぞれに必要なものは、既にそれぞれの心の中にあり、見つけられるのを待っている。

 この映画は、とても悲しく、痛ましく(大人たちは皆、迷子の"little children"なのだ)、でも最後はほのかな安堵と希望を与えて終わる。この作品のテーマは、実は"Little Miss Sunshine"と同じなのではないか?まったく対照的な雰囲気の二つの作品ではあるが、メッセージはとても似ているような気がした。

 どちらもよかった。 
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by oktak | 2007-02-14 08:19 | 映画 | Comments(6)