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ホリデー商戦:2008

 今週は、多分この一年間でもっともたくさんのご注文をいただいた一週間だったと思う。
 毎日、品物の梱包だけで午前中が終わってしまい、午後は子供を迎えに行くついでに、紙袋いっぱいに詰め込んだ小包を持って郵便局に通った。

 今年は不景気で、例年になく早く街中にクリスマスの飾りが出現した。(うちの近くのBanana Republicなどは、11月中旬-Thanksgivingの10日前ほど-からウィンドーにクリスマス・ツリーを飾っていた。)また、11月はじめから、小売業大手各社から「全商品20%引き!」などのプロモーションのダイレクトメールが届いたが、こんなことは、過去10年で初めてのことである。そんな中、oktakはどうなることかと心配していたが、昨年に比べて売り上げが伸びて大変ありがたい。

 その理由は、ひとえにこの一年間でoktakの知名度が上がったことだと思う。
 最近はメインサイトよりも、Etsyに開いているショップでの売り上げが多い。思えばこのブログできちんとEtsyのご紹介をしたことがなかったが、それは、個人がハンドメイド品を販売する、巨大モールのようなサイトである。(なぜか、ビンテージ・グッズと、クラフト用品も売られている。)ハンドメイド作家なら、誰でも無料でショップを開設できる。(開設自体は無料だが、商品をショップにアップロードする度に20セントかかり、また売れた場合には3.5%のコミッションを取られる。)2005年に20代の若者数名によって開設されたこのサイトには、今では30万人以上のセラーがショップを構えているという。販売されているハンドメイド品は、洋服、ジュエリー、アート(絵画・写真・彫刻など)、陶磁器、ぬいぐるみやおもちゃ、帽子・ベルト・スカーフなどのファッション・アクセサリー、カードやジャーナルなどの紙製品、石鹸、化粧品、そしてクッキーやブラウニーなどの食品まで、何百種類もある。

 拠点はNYC(Brooklyn)だが、インターナショナルなサイトのため、オーダーは文字通り世界中から入る。データをしっかり整理したわけではないが、oktakの顧客はアメリカ在住者が6割程度、残りはヨーロッパ各国、オーストラリア、アジア各国の方々である。珍しいところでは、UAE(アラブ首長国連邦)やイスラエルからも複数のオーダーをいただいている。

 30万のショップの海の中で目立つ存在になることは容易ではなく、私も2年ちょっと前にショップを開設してから、しばらくはどう攻略してよいのか分からず、放置していた。忘れた頃に突然オーダーが入り、あわてて対応したのだが、本格的にEtsy shopに力を入れ始めたのは、昨年のホリデー前だったろうか。その後度々トップページに商品の写真を載せてもらうことができたり(Flickr参照)、雑誌に取り上げられるなどして、じわじわと知名度が上がり、この一年間で幸いにも1,200点近くの品物が売れた。
 
 一消費者としても、このサイトは眺めていると時を忘れて、誠に危険(笑)。
 なにしろショップの数が多いから、玉石混合ではあるが、ときに驚くほど素晴らしいセンスとプロフェッショナリズムを感じるショップに出会い、同じ物づくりに携わる者として、ウキウキせずにはいられない。私は新聞や雑誌に一面広告を出すような高級ブランドにはほとんど食指が動かないが、オランダのデザイナーがビンテージ生地で作る色鮮やかな子供服や、スコットランドの職人さんが作る、自然をモチーフにした美しいジュエリーなどには、めっぽう弱い(どちらも購入済・笑)。

 話がそれた(笑)。
 何が言いたいかというと、景気が劇的に悪化した中でも、今年はアメリカを中心に"handmade movement"が盛り上がりを見せ、それに伴ってEtsyと、そこにショップを構えるセラーの知名度が上がったということだ。グローバリゼーションが進み、世界中のどの街角にもGAPやStarbucksを見かけるようになった現代において、金太郎飴のような大量生産品でなく、個人の職人が作るものの価値が見直されていると感じる。Etsyはうまく時流に乗って、nicheを捉えたといえる。

 そうは言っても、(先日も書いたが)ハンドメイド品は生産量に限界があるため、ビジネスとしての成長にも限界があると思う。その限界が一体どこなのか、現時点ではまだ分からないが、来年もひたすら好きなものを追求し、真面目に物づくりに取り組んでいきたいと思う。

 最後に今年の反省点。このもっとも忙しい一週間に、名刺、封筒(オーダー発送用)、その他パッキング材が底を尽き、慌てて追加注文することになった。十分用意したつもりだったのに、いつの間にかなくなっていた・・。来年はこのようなことがないように、「買いすぎ」と思うくらい、ホリデー前にまとめて注文しておこう。

 
by oktak | 2008-12-13 11:34 | ビジネス
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